1. トップページ
  2. 座談会

SYMPOSIUM座談会

「芦北でビジネスをすること」をテーマに開催した座談会。この地でのビジネスの可能性や町に期待すること、事業分散化のメリットなどについて、芦北サテライトオフィ計石を拠点に事業を展開する3社の代表にディスカッションしてもらいました。(聞き手は、株式会社MARUKU代表取締役 小山光由樹)

熊本電力株式会社
代表取締役竹元一真

株式会社WEB TATE
代表取締役南 天貴

FunTech株式会社
代表取締役CEO太田義孝

人、企業、地域がつながり、
高め合うことで生まれる
新たな価値とチャンス!

複合ビジネス施設の魅力は?

竹元

私たちは電力事業、中でも電力の小売りを行っている企業であると同時に、この芦北サテライトオフィス計石の誘致企業でもあります。さまざまな企業が集う複合施設・サテライトオフィスは、どこでも仕事ができるという観点からいくとIT企業がメインとなります。私たち自身もITを導入し、県内のほか、福岡や東京に事業所を分散、事業の効率化を図り、非常事態宣言後も何ら変わりなく仕事ができています。ここの一番の魅力は何と言っても立地。海を見渡せる恵まれた環境の中で最先端の仕事ができるなんて、都内では考えられません。受け入れる側としては、異色のIT企業はもちろん、ここに来たいという思いのある企業がどんどん集まる場になってほしいと思います。

私たちも進出する前は、ロケーションなどの環境に大きな魅力を感じていたのですが、進出してみて思うのは、スタッフのモチベーションを上げる働きやすさですね。弊社のスタッフ第一号は都会のコンクリートジャングルでの仕事に疲れ果てていたので、自分から志願してここに来ました。彼曰く、「今が人生で一番楽しく、充実している」と。ビジネス面でも、働きやすさから生まれる発想力、東京と比べものにならないほどのコミュニケーション力の向上を実感します。まさに、人間力を鍛えられる場といったところでしょうか。人と人のつながりも増え、会社として組織そのものが強化されています。

太田

クリエーターの集まりである弊社は、場所を選ばない業態ではあるのですが、心配だったのがコミュニケーションの問題です。離れていて果たして大丈夫なのか、若いスタッフをどう教育していけばいいのか、正直不安もありました。しかし今は、東京に居るのと変わらず仕事ができることを実感。また、特にうちのような若い会社だと、新しいスタッフに先輩の指導役を付けることが難しい。しかしここでは、入居している他社のベテランのデザイナーやエンジニアの方とランチに行き、いろんなことを教わったり、相談することができる。他社との関係性を築けたのが一番のメリットだと感じています。

計石を拠点とした事業展開の可能性は?

竹元

まずは電力会社としては、安い電力を多くの方に供給できるよう、例えば芦北電力などを作ってさらにエリアを広げていきたいです。コワーキングスペースやサテライトオフィスの運営においては、データセンターを持っているので、徐々にAIやCG、あるいは自動運転にも踏み込んでいきたいと思っています。リソースを提供できるようになったら、そういうスタートアップにも来てほしいですね。

今はコロナ禍でオープンキャンパスなどもままならない状況です。私たちは、これらをオンライン化し、“密”を避けながら学校を知ってもらい、学生がITに触れる機会を提供していきたいです。最終的にそれが、ITへの興味につながれば、さらに嬉しいですね。また、町の見守りとして、エリアの気温や湿度など、今まで見えていなかった数値を「見える化」する事業にもやりがいと可能性を感じています。

太田

私たちができることはデザインやプロモーション。東京の案件を芦北で動かし、芦北の案件を東京に引っ張っていくこと、そしてこれからは人材育成や起業家輩出にも力を入れていきたいと考えています。ここが東京からの仕事が集まる場になれば、若者にもチャンスが芽生え、そこから新たなビジネスが生まれることもあるかもしれません。この場所に、芦北と東京をつなぐコミュニティができていけばいいですね。

芦北町に期待することは?

竹元

実際弊社の電力に換えると、設備投資をせずに電力が20%下がるのですから、やらない手はないはずです。ただ、熊本県下のスイッチング率は、まだ全体の0.5%くらい。ここは市町村単位でのスイッチング率50%を目標にしていますので、ぜひ芦北町にも協力をいただけたらと思っています。また、電力供給におけるCO2排出量ゼロを達成していますので、SDGsを推進する自治体ともさまざまな面で連携していけたら嬉しいです。

自治体に関しては、期待どころか、ここまでしていただけるのかというほどサポートしていただいています。今後は、現地の雇用を拡大し、町の企業として理解していただく努力を続け、特に高校や教育関係機関にもアプローチしていきたいと思います。

太田

私たちも雇用への期待が大きく、高校への説明会の準備も始めていきます。18歳のクリエーターの伸びしろには、期待が大きいです。今後芦北でもしっかり売り上げを見込めるよう、現地の企業とつながり、採用した人材の育成と収益を兼ねて、企業ホームページの提案ができるよう実績を積んでいきたいです。

事業所分散化のメリットは?

オフィスにいようが、自宅にいようが、コロナ禍で完全リモートになっても、もともと事業所を分散していたことで、仕事に影響はまったくありませんでした。どこで何が起きても事業が継続できることは最大の魅力です。熊本豪雨では、このエリアにも大きな被害が及びましたが、芦北での仕事を東京にスライドし、支障なく仕事を継続することができました。

太田

災害リスクだけでなく、うちのような小さい会社は、一人が体調を崩し仕事がストップしてしまうと大きな痛手になってしまいます。企業が大きくなればなるほど、そのリスクを軽減するためにも、事業所分散化の意義はあると思います。ビジネスを継続させるという意味でも、仕事ができる場所の選択肢を増やすということは、重要かもしれませんね。

最後に、計石に進出を考えている企業に向けたメッセージをお願いします。

竹元

私がエネルギー産業に参入したのは、事業の可能性はもちろんですが、20代のころから都市と地方を行き来する中で、農林水産業を維持していかないと、都市が崩壊してくることを痛感していたからです。大雨が降り土砂災害が増えている理由の一つに、林が適切に開発されていないことが挙げられます。これを守るためにも、エネルギー産業をきっかけにしながら、その利益を農林水産業の維持に還元していきたいと思っています。維持するには、そこに人を残さねばならないのです。そこで人材を育て、事業を起こしていくことで、日本全体が潤う。これらを私たち企業が担い、牽引していきたいですね。

そのためにも、まずは実際にこの場所に来て、見て、体験することが大切だと思います。視察などで計石に来ていただければ、私たちが一緒に町を案内することもできますし、いろんな情報を共有できるはずです。

太田

田舎に“人を残す”という竹元社長の話からも、私たちには大きな使命があり、ここは、その使命に貢献できる場でもあると思うのです。しかもビジネスとしての可能性があり、安らぎの地としても魅力ある町!! より多くの企業が集い、一緒に新たなビジネスを生み出していけたらいいですね。